フジ住宅の訴訟と裁判 判決言渡し期日が延期になった事のお知らせ。

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。なお、最新情報は公式ホームページから抜粋しています。長いので分割してお届けします。

“皆様。いつも弊社に暖かい応援のお言葉を賜り、また、熱心に裁判の応援を続けてくださり、有り難うございます。
心より御礼申し上げます。

さて、新型コロナウイルスの影響で、5月14日(木)に予定されていた一審判決の期日が延期されるとの連絡が、昨日5月7日に大阪地方裁判所堺支部よりありました。
現在調整が進んでいますが、まだ正式の決定はありません。決まりましたらすぐに報告させていただきます。
また、傍聴券の抽選につきましては、「感染防止」の観点からいわゆる「3密」を避ける必要が継続する事が考えられますので、広く、多数の方に傍聴を呼びかけることは当分のあいだ、原告側、被告側共に控えることになると思います。
詳細はまた追って報告させていただきます。

判決の期日は延期になりましたが、本件裁判の重要性は、「新型コロナウイルス禍」によって、国際情勢も激動している中、益々重要になっていると思います。
繰り返しになりますが、弊社に対し為されている訴えはまったく不当なもので、これを少しでも認めてしまえば、著しい日本国民への言論弾圧、言論の自由への侵害が引き起こされるとの危機意識を弊社は応援してくださる皆様と共有できていると信じています。そういう意味で、弊社の責任は重大であると思っております。

ここまで弊社裁判を支え、応援し続けてくださっている皆様に深く感謝し、心より、重ねて御礼申し上げます。
どうぞ今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

(編集責任 フジ住宅株式会社)”

次回はこの続きから紹介したいと思います。

フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表7

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“ 3 なお、被告今井の補充尋問において、裁判長が被告会社答弁書3頁における「原告は、『正社員の業務日報も全社員に配布している』と主張するが、そのような事実はない」との記載をとりあげて「何でそこを本来、全従業員の目に触れないようなものなのに、全従業員に配ったんですか」と質問している箇所がある(被告今井調書20頁2~3行目)。しかしながら、被告会社答弁書における上記記載の趣旨は、業務日報が常に全社員に配布することになっているわけではないということであり、場合によっては全社員に配布することもあり、実際提訴前にも被告今井から業務日報を全社員宛に配布していることが少なからずあった。したがって、「本来、全従業員の目に触れないようなもの」とまで言うことはできない。

第4 「退職勧奨」との主張について
1 判例上、退職勧奨そのものは違法ではなく、例外的に社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為について不法行為が成立しうるとされている。近時の裁判例では、「使用者が労働者に対し、任意退職に応じるよう促し、説得等を行うこと(以下、このような促しや説得等を「退職勧奨」という。)があるとしても、その説得等を受けるか否か、説得等に応じて任意退職するか否かは、労働者の自由な意思に委ねられるものであり、退職勧奨は、その自由な意思形成を阻害するものであってはならない。」とされ、「退職勧奨の態様が、退職に関する労働者の自由な意思形成を促す行為として許容される限度を逸脱し、労働者の退職についての自由な意思決定を困難にするものであったと認められるような場合」には、「当該退職勧奨は、労働者の退職に関する自己決定権を侵害するものとして違法性を有し、使用者は、当該退職勧奨を受けた労働者に対し、不法行為に基づく損害賠償義務を負うものというべきである」とされているところである(日本アイ・ビー・エム事件-東京高判平24.1031労経速2172号3頁)。

2 本件においては、原告と植木副部長とのやり取りが録音されたテープ(丙36~37)において明らかなように、被告会社は原告に対し300万円の支払いと引き換えに退職するという選択肢を提示したに過ぎず、一度も退職を求めるようなことはしていない。しかも、原告が勤務を継続する意思を表示して以降は一切上記選択肢について言及していないのであって、およそ被告会社の行為が社会的相当性を逸脱した態様で行われ、半強制的ないし執拗であったと評価できる余地はない。まさしく原告の自由な意思に委ねていたものであり、その自由な意思形成を阻害した事実も一切存しないところである。

第5 結論
以上のことから、原告の請求はいずれも理由が無く、すみやかに棄却されるべきである。

以 上”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表7

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“ 被告会社がこうした社員の心情がつづられた文書を社内配布した主な目的は、訴訟提起やその報道により動揺する社員の間で、前向きな意見を共有することで士気の低下を防ぐことにあり、「報復的非難・社内疎外」の目的などない(もっとも、経営理念感想文等の社内配布は訴訟提起前から日常的に行われていたことであり、訴訟提起直後は訴訟に関する社員の記述が多かったため、必然的に配布文書の中に訴訟に関する記載が多くなったという側面もある)。被告会社にとって、社員の高いモチベーションがライバル会社と対抗するための最大の財産であり、社員のモチベーションが原告の一方的主張が報道されることにより低下してしまうことは、企業の存立そのものを脅かす重大事態だったのである。そのような重大事態への対処としてなされた経営理念感想文等の配布行為は、その目的において十分正当性が認められる。
また、原告も、被告会社が職場で民族差別を行っているなどという、それ自体被告会社の対外的イメージおよび社員のモチベーションに致命的打撃を与えかねない主張を行って訴訟を提起し、その主張を記者会見を開いて世間に向けて大々的に行っている以上、これに対する対抗言論は当然のことながら一定程度受忍すべきであり、原告第12準備書面別表1における表現は、その受忍限度内にとどまるものである。そして、被告会社においては原告の氏名を社内で伝えず、社員を傍聴のため法廷に派遣しないなど、原告が誰であるかが他の社員にとってわからないようにするための配慮まで行っていたのであり、そのような配慮もあって上記資料配布行為によって原告が「社内疎外」されたというような結果も発生していない。
したがって、本件において原告が訴訟提起後の配布行為として違法であると主張する資料の配布行為は、違法性が認められないことは明らかである。

2 また、原告は原告第12準備書面別表2記載の表現を含む資料の配布行為について、「被告らによる報復的非難・社内疎外が現在も反復継続されていることを示す背景事情」であると主張する。
しかしながら、これらの資料配布行為は、原告およびその支援団体によって被告会社が「ヘイトハラスメント」を行っているなどという喧伝が繰り返しなされたりしたことにより(別紙本件時系列一覧表参照、丙16~18)、被告会社の対外的イメージが悪化し、社員に動揺が走って士気が低下する現実的危険が生じたため、その対処としてなされたものである。したがって、原告が列挙する行為は、その目的においても効果においても「被告らによる報復的非難・社内疎外が現在も反復継続されていることを示す背景事情」とはなり得ない。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表6

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“第2 「教科書動員」について
1 原告は、教科書展示会への参加を事実上強制されていたと主張する。
しかしながら、教科書展示会への参加が事実上強制されていたなどという事実はない。このことは、被告会社の元社員である菊池証人、および被告会社における原告の直属の上司である植木証人が以下のとおり一致して明確に証言しているところである。

被告会社代理人「教科書展示会の参加に関し、社員に対して参加が義務づけられてい
た、強制されていたというふうなことはありましたか。」
菊池証人   「それはないです。」
(菊池証人調書7頁)

被告会社代理人「教科書展示会の参加について、任意であるということは周知しておら
れましたか。」
植木証人   「はい、周知しておりました。」
被告会社代理人「何か強制とか、義務だというようなこと、受け取られるような発言が
あったという心当たりはありますか。」
植木証人   「いえ、教科書アンケートに関しては、会社からも重ね重ね希望者のみ
ということを言われておりましたし、私はそのことを100%理解し
ておりましたので、そのような発言はしていません。」
(植木証人調書3頁)

一方、原告からは教科書展示会への参加を事実上強制されていたということを基礎づける具体的事実は何ら主張・立証されていない。そもそも、原告は平成26年以降教科書展示会への参加をしていないのであり、この事実自体が教科書展示会への参加を事実上強制されていたというような事実はなかったことの何よりの証左である。

2 そして、教科書展示会への参加を呼びかけることそれ自体が違法であるとの根拠はない。

第3 「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配布行為」について
1 原告が、「原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料配布行為」であると主張するのは、2017年10月19日付け原告第12準備書面別表1の内容を含む資料の配布行為であるとのことである(原告第20準備書面)。
これらはいずれも、被告会社が原告から訴えを提起されたことが原告の主張内容と共に大々的に報道された直後に、被告会社社員がその心情を吐露したものである(別紙本件時系列一覧表参照)。
この時期に被告会社社員作成にかかる経営理念感想文や業務日報の中に、原告による訴訟提起に関することが多くなるのは、勤務先が訴えられたことにより社員が受けた衝撃の大きさからすれば当然であり、その中で原告に対する批判的心情がつづられるのも、「職場で民族差別」「憎悪表現文書『勤務先が配布』」
「『民族差別的』表現文書を社内で配布」といった、被告会社社員からすれば全く事実に反する原告の主張が大々的に報道された(丙15の1~5)ことからすれば、これもまた当然である。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表5

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“(3)一方、原告は閲読を事実上強制されていたと主張するものの、それを基礎づける具体的事実について何ら主張・立証されていない。

(4)そもそも、本件裁判において、原告は自身に対しては配布されていない資料までも収集した上で、それらの資料によって精神的苦痛を受けたと主張するが、そのように自ら積極的に収集した資料(この点、原告は、その陳述書(甲110・11頁)においては「いつかのために、資料を残そうという思い」で資料を収集したとのことであったが、当公判廷における供述では「人によっては距離をとるために、誰がどんなことを書いているか知っておく目的で」資料を収集していた旨を供述している-原告調書22頁-。いずれにせよ、自ら積極的に資料収集を行っていたことは明らかである。)によって精神的苦痛を受けたとしても、それが法的に保護されるに値しないことは言うまでもない。

4 原告が主張する精神的苦痛について
原告によれば、原告は高校生の時に学校で日の丸・君が代に接して「余りにしんどい気持ちになって立っていられなくなり、しゃがみ込んでしまった」ことがあったとのことである。また、「おじいちゃん戦争のことを教えて」という本について、これが戦争を肯定する本だとして、「こんな本を会社で勧めているんだ、会長はこんな考え方をする人なんだと驚き、ショックを受けた」ということもあったようである(原告調書33~38頁)。
このようなことから、原告は自己の信条と相いれない文化や考えに接した際、過剰なほどに拒絶反応を示す傾向があると言える。本件において原告が問題にしている文書配布についても、自らの信条等と相いれない考え(文書の意味を十分に理解せず、あるいは曲解しているところも散見される)に接したことにより、精神的苦痛を被ったと言い募っているに過ぎない。このような「精神的苦痛」が、表現の自由を制限してまで法的に保護しなければならないものではないことは明らかである。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表4

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“ 3 「政治的見解等の配布行為」について
(1)原告は、「政治的見解等の配布行為」によっても権利侵害されたと主張するが、要するに見たくもない政治的見解の閲読を事実上強制されることが原告の人格権を侵害するという趣旨のようである。
しかしながら、被告らの配布する文書を閲読するかどうかは各社員の自由であることは周知されており、原告自身、「部門長会議資料」について平成23年10月21日に配布を希望しない旨申し出、同申出以降は当該文書を配布されていないのである(植木証人調書2頁16~25行目)。したがって、閲読を事実上強制されていたとの事実は認められない。

(2)この点、被告会社の元社員である菊池証人、および被告会社における原告の直属の上司(副部長)である植木証人が、以下のとおり一致して閲読が強制されている事実はなく、そもそも読んでいるかどうかを確かめられる機会がないことを明確に証言している。

被告会社代理人「会社から読むことを義務づけられていたというようなことはあるんで
すか。」
菊池証人   「それはありません。」
被告会社代理人「あなた以外の社員の方々も、全ての資料に目を通されていたと思いま
すか。」
菊池証人   「それはもう他人のことですし、私は管理する立場にはおりませんでし
たので、わかりかねます。」
被告会社代理人「ほかの人が読んだかどうか、確かめる機会というのはありました
か。」
菊池証人   「ありませんでしたし、時々雑談で昼の食事なんかとりながらお話して
いるときに、この方はあの資料を読んではらへんかもわからんなとい
うふうな感じたことはありました。ただチェックという意味ではなく
て、そう感じただけです。」
被告会社代理人「配布された資料を読んだかどうかが、社員の評価につながるというよ
うなことはあったんでしょうか。」
菊池証人   「ありませんでした。」
被告会社代理人「配布された資料の感想を書くように指示されたことはありますか。」
菊池証人   「ありません。」
(菊池証人調書6頁)

被告会社代理人「配布した資料について、設計部の社員の方が読んでいるか、読んでい
ないかということはわかるんでしょうか。」
植木証人   「いえ、わかりません。」
被告会社代理人「あなたが、読んでいるかどうか、確認されたことってありますか。」
植木証人   「いや、確認をしたことはありません。」
被告会社代理人「読んでいない方もおられたと思いますか。」
植木証人   「それは恐らくおられたと思います。」
被告会社代理人「必ず読むようにしなさいというような指導は行わないんでしょう
か。」
植木証人   「いえ、それはしません」
(植木証人調書1~2頁)”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表3

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“(2)また、原告の請求が認められるためには、被告会社が配布した文書によって、被告会社内で人種差別・民族差別が助長されていた事実が必要なはずであるが、かかる事実は認められない。

この点、被告会社の社員が提出した経営理念感想文等において、一部だけを取り上げれば必ずしも適切とは言い難い表現が含まれていたとしても、当該文書全体の文脈もあわせて考慮すれば人種差別的とまでは言えないものがほとんどであり、少なくとも職場に「人種・民族差別を助長する言動が蔓延」しているとまではおよそ言い難い。

被告会社には、役員に元在日韓国人が複数存在しており(被告今井調書13頁下から3行目~4頁5行目)、被告らの人種差別を許さないという姿勢は常日頃から職場内にも浸透しており、社員らもこの点は十分理解していた(丙23の1~2)。したがって、被告らが配布する文書のごく一部に原告が指摘するところの人種差別的表現が仮に含まれていたとしても、それによって人種差別・民族差別が助長され、職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」するようなことにはならないのである。

この点、被告会社の元社員である菊池証人も、被告会社内で人種差別・民族差別を助長するような言論が蔓延していたような事実はなかったことを以下のとおり明確に証言しているところである。

 

被告会社代理人「あなたから見て、被告会社内で、中国人、韓国人を差別するような言

動が行われているところを見たことはありますか。」

菊池証人   「全くありません。」

(菊池証人調書7頁)

 

(3)さらに、原告の請求が認められるためには、被告らによる文書配布行為によって職場内に「人種差別・民族差別を助長する言論が蔓延」することになった結果、原告個人が損害を被ったということが必要になる(札幌地判平成14年6月27日参照)。

しかしながら、少なくとも原告の属性である在日コリアンに対する差別的言動が職場で蔓延したとの事実は認められず、原告自身そのような主張は行っていないようである。

そして、原告自身が職場において直接差別的言動を受けたことがないことは、以下のとおり原告自身認めるところである。

 

被告会社代理人「あなたに対して、このフジ住宅、被告会社の中で直接あなたに向けて

差別的な言動、発言が行われたことってあるんですか。」

原告     「私の名前を使ってということですか。」

被告会社代理人「あなたに対して、直接誰かから言われたりとか。」

原告     「私自身、個人に対してというのではないですけども。」”

 

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表2

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“(3)原告側の意図としては、「韓国人は嘘つき」というのは「ヘイト表現」であることを被告今井自身が認めており、そのような「ヘイト表現」を配布すること自体が違法である、との論理を展開したいのではないかと推察される。
しかしながら、まずもって「ヘイト表現」という言葉自体が定義として曖昧であり、そのような定義の曖昧な「ヘイト表現」にあたるかどうかが合法・違法の線引きになるようなことはない。
また、原告代理人は「韓国人は嘘つき」という言葉のみを取り上げて、それが「ヘイト表現」にあたるかどうか「端的に」答えるよう被告今井に迫っているが、そもそも文書における表現が違法かどうかは、当然のことながら全体の文脈から判断されることであり、特定の表現のみを切り取ってそれが「ヘイト表現」かどうかについて論じ、「ヘイト表現」にあたれば当該文書が違法となる、というような論理展開は、表現内容の違法性を判断するのにそぐわないものである。
さらに、被告今井が尋問において度々指摘しているように、原告代理人が指摘する「韓国人は嘘つき」という表現は、被告今井自身の表現ではなく、市販の書籍における表現である。配布する文書の中に仮に違法な表現が入っていたとしても、そのことによって直ちに文書配布行為自体が違法になるわけではなく、文書配布行為が違法となるのは、その違法な表現の拡散を目的として、実際にその違法な表現が拡散したような場合に限られるはずである。

2 「人種的民族的差別を助長する文書の配布行為」について
(1)原告が「人種的民族的差別を助長する」と主張する表現のうち、韓国に言及した表現のほとんどは、従軍慰安婦問題等日本・韓国の両国間に横たわる問題の対応をめぐって、韓国という国家を批判したり、韓国人の国民性を批判したりするものであり、差別云々以前にそもそも人種・民族に関する言論とは言えない。
原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての言論を、民族性に対する言論と混同し、あるいは同列に論じようとして躍起になっているが、民族性に対する言論と、国家や国民性に対する言論とは、当然のことながら明確に線引きされるべきである。
この点、原告が民族性に対する言論と、国家や国民性に対する言論、はたまた政治的見解とを区別することなく、自らの主観において意に染まないものという点において一体のものとして問題にしていることは、本人尋問における以下の供述からもうかがえるところである。

被告会社代理人「先ほどから御証言聞いてますと、毎日毎日会社から民族差別的な文書
が配布されていたというような趣旨の発言かなというふうに聞こえた
んですけど、違いますか。」
原告     「感覚的にはそのとおりです。」
被告会社代理人「でもその中には国に対する批判の話とか、従軍慰安婦の強制連行の有
無についての見解というのもかなりの部分、入っているんではないで
すか。」
原告     「それとでもいっしょになってうそつきとか、ずっと配られてきたとい
うのはすごくあります。」
被告会社代理人「あなたの中でそれは全部一緒ということですか、つながっているもの
だと、こういうことを言いたいわけですか。」
原告     「私の中でつながる部分はあります。」
(原告調書33頁)

結局のところ、原告は、韓国という国家や韓国人の国民性についての批判的言論までも、民族性を貶める言論と同一視し、人種的民族的差別と言い募っているに過ぎない。”

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フジ住宅準備書面12 弊社を弁護。裁判所に提出済み。  別紙 時系列一覧表

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“平成27年(ワ)第1061号
損害賠償請求事件

準備書面12

令和2年1月10日
大阪地方裁判所堺支部
第1民事部合議C係 御中

上記当事者間の頭書事件について、被告フジ住宅株式会社(以下「被告会社」という)は、次のとおり弁論の準備をする。

被告会社訴訟代理人
弁 護 士  益  田  哲  生

同    勝  井  良  光

同    中  井     崇


証人尋問並びに本人尋問の結果を踏まえ、原告の請求が棄却されるべきことについて以下簡潔に被告会社の主張を整理する。

第1 職場での文書配布行為について
1 「ヘイトスピーチに当たることが明らかな資料の配布行為」について
(1)原告は、被告会社が職場で配布した文書の一部が「ヘイトスピーチ」にあたり、そのような文書を流布すること自体が違法であると主張する。しかしながら、被告会社が配布した文書の中に、配布することそれ自体が違法となるような内容のものは存在しない。

(2)この点、原告代理人による被告今井に対する反対尋問の中で、配布された文書の中の一部の表現のみを取り上げて、それが「ヘイト表現」ではないかとの質問を行い、その質問に対し被告今井がその言葉自体は文脈によっては特定の民族に対する嫌悪感をあらわした表現になり得るとの趣旨で「ヘイトになるんでしょう」と発言したことを捉え、「ヘイト表現だと認めた」と決めつけているやり取りがある。具体的には以下のやり取りである。

原告代理人「韓国人は嘘つきというのは、ヘイト表現ではないですか。」
被告今井 「よく読んでくださいよ。」
原告代理人「端的に答えていただきたいんですけど。」
被告今井 「端的じゃなくて。」
原告代理人「韓国人は嘘つきというのはヘイト表現ですか、そうでないですか。」
被告今井 「韓国人は嘘つき、それはヘイトになるんでしょうがね。」
原告代理人「ヘイトにあたりますね。」
被告今井 「はい。」
原告代理人「それはヘイトだというふうに認めておられるんですね。」
被告今井 「韓国が消えても誰も困らない、韓国人は嘘つき、韓国で発売された本です
よ。10万部超の大ベストセラーが暴露した民族の恥部、オンソンファ
氏、拓殖大学教授と立派な本じゃないですか。」
(中 略)
原告代理人「韓国人は嘘つきというのは、ヘイト表現だというふうに認められたでしょ
う、先ほど」
被告今井 「ええ。」
原告代理人「だからその表現が適切かどうかという判断を。」
被告今井 「そう言うんやったら著者に言ってください、著者に」
(被告今井調書19~21頁)”

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“(5)主たる請求と提訴後の配布行為の関係性
提訴後の配布行為の違法性の評価においては、主たる請求との関係性にも十分に留意されねばならない。
すなわち、提訴時の原告の請求は「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」(第1類型)、「政治的見解等の配布行為」(第2類型)、「教科書動員」(第3類型)であった。第4類型の提訴後の配布行為は、提訴後に追加で不法行為として請求がなされたものであり、第1類型から第3類型と、第4類型とは、主従の関係があるといえる。
具体的には、第4類型は、第1ないし第3類型に関する提訴行為を非難する資料を被告らが社内で配布したこと不法行為と主張するものであるが、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるかどうかが、第4類型の不法行為の成否の判断を大きく左右する構造となっていると被告らとしては考えている。
第1ないし第3類型の不法行為の成否も、第4類型の不法行為の成否と合わせて判決で判断が示されるため、あくまで仮定の議論となるが、仮に第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるのであれば、法的に理由のある請求について提訴する行為を相手方(被告ら)が批判することは、正当性が乏しいということになろう。
しかし逆に、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められないのであれば、法的に理由のない請求について提訴した行為を被告らが批判することは、基本的に正当性が認められてしかるべきであろう。権利がないのに会社を訴えているということであるから、「それはおかしい。間違っている」と会社から指摘されてもやむをえないと思われるからである。
よって、本件でも結論は分からないが、「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」、「政治的見解等の配布行為」、「教科書動員」といった理由で損害賠償請求が認められないのであれば、「提訴後の配布行為」が違法とされることは原則的になく、違法になるとすれば、配布に関しての動機や資料内容のよほどの悪質性、深刻な現実的被害の発生が認められるようなごく例外的なケースに限られると解されるのである。しかしながら、本件で、かような悪質性や現実的被害は認められない。
言うまでもなく、提訴行為に対する批判も一つの意見表明として表現の自由の行使そのものであり、安易に違法評価され制限されることがあってはならない。
その観点からは、請求が棄却されるような訴訟でも、提訴自体が違法と評価されるような「不当訴訟」でなければ相手方(会社側)から請求者(従業員)を社内で非難してはいけないという解釈は、あまりに偏ったものであると思われる。

(6)小括
以上のような諸要素を総合的に考慮すると、平成27(2015)年9月7日から25日の資料の配布行為について、原告に対する報復的非難・社内疎外として、不法行為請求における違法性や損害が認定されるべきではないことは明らかである。

5 まとめ
以上の次第であり、原告の請求はいずれも理由がなく、速やかに棄却されるべきである。”

次回はこの続きから紹介したいと思います。