フジ住宅の訴訟と裁判 最新情報

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。
今回はフジ住宅の裁判・訴訟の内容から、最新情報をご紹介します。

“ よって、本件でも結論は分からないが、「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」、「政治的見解等の配布行為」、「教科書動員」といった理由で損害賠償請求が認められないのであれば、「提訴後の配布行為」が違法とされることは原則的になく、違法になるとすれば、配布に関しての動機や資料内容のよほどの悪質性、深刻な現実的被害の発生が認められるようなごく例外的なケースに限られると解されるのである。しかしながら、本件で、かような悪質性や現実的被害は認められない。
言うまでもなく、提訴行為に対する批判も一つの意見表明として表現の自由の行使そのものであり、安易に違法評価され制限されることがあってはならない。
その観点からは、請求が棄却されるような訴訟でも、提訴自体が違法と評価されるような「不当訴訟」でなければ相手方(会社側)から請求者(従業員)を社内で非難してはいけないという解釈は、あまりに偏ったものであると思われる。

(6)小括
以上のような諸要素を総合的に考慮すると、平成27(2015)年9月7日から25日の資料の配布行為について、原告に対する報復的非難・社内疎外として、不法行為請求における違法性や損害が認定されるべきではないことは明らかである。

5 まとめ
以上の次第であり、原告の請求はいずれも理由がなく、速やかに棄却されるべきである。

以 上”

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“(4)資料配布後、実際に原告が社内で攻撃されたり疎外されたりしていないこと
提訴後の資料配布を経ても、原告が社内で、他の社員から直接に攻撃されたり、所属部署やグループの中で疎外されたりしたという具体的事実が一切ないことも、極めて重要である。
そのこと自体が何より、配布資料が原告への報復や社内疎外の現実的効果をもたらす内容ではなかったこと、そして被告らにもそういう加害意図はなかったことを裏付けるものである。
原告は提訴後の資料配布により被った被害を強調するが、被告らの配慮に加え、被告今井が作った被告フジ住宅の社風の穏やかさやその社員らの優しさもあって、原告は、資料配布とは関係なく現在も平穏に就労を継続できているというのも事実である。

(5)主たる請求と提訴後の配布行為の関係性
提訴後の配布行為の違法性の評価においては、主たる請求との関係性にも十分に留意されねばならない。
すなわち、提訴時の原告の請求は「ヘイトスピーチないしこれに類する資料配布行為」(第1類型)、「政治的見解等の配布行為」(第2類型)、「教科書動員」(第3類型)であった。第4類型の提訴後の配布行為は、提訴後に追加で不法行為として請求がなされたものであり、第1類型から第3類型と、第4類型とは、主従の関係があるといえる。
具体的には、第4類型は、第1ないし第3類型に関する提訴行為を非難する資料を被告らが社内で配布したこと不法行為と主張するものであるが、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるかどうかが、第4類型の不法行為の成否の判断を大きく左右する構造となっていると被告らとしては考えている。
第1ないし第3類型の不法行為の成否も、第4類型の不法行為の成否と合わせて判決で判断が示されるため、あくまで仮定の議論となるが、仮に第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められるのであれば、法的に理由のある請求について提訴する行為を相手方(被告ら)が批判することは、正当性が乏しいということになろう。
しかし逆に、第1ないし第3類型の不法行為の成立が認められないのであれば、法的に理由のない請求について提訴した行為を被告らが批判することは、基本的に正当性が認められてしかるべきであろう。権利がないのに会社を訴えているということであるから、「それはおかしい。間違っている」と会社から指摘されてもやむをえないと思われるからである。”

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“(3)配布資料に実名等は一切出していないこと
提訴後の配布行為に関する配布資料の客観的内容においてもう一つ非常に重要なのは、原告の実名や、個人を特定する情報は一切掲載していないという点である。
そのため、挙げられている資料の配布があっても、被告フジ住宅内の社員1000人の中のどの在日韓国人の社員なのかは、各社員には分からないというのが実情であった。
原告個人が特定されていなければ、「報復」や「社内疎外」という効果は、少なくとも客観的には生じない。誰か分からなければ、社内で他の社員が原告に対して非難の目を向けたり、疎外したりしようがないからである。
原告の主観としては、自分の提訴が被告らや社員の一部から批判的に受け止められている認識は生じるわけであり、そういう意味では原告の内心にも影響はあることは否定しないが(但し、そこまで法的保護の対象とせねばならないとは思われない)、配布文書内で個人が特定されているかどうかで、当該個人に対する影響の質は、全く異なる。
一般社会でも、個人が実際は特定されていても、実名を出さずに、不適切な行為を止めるように張り紙等でアナウンスしている例は多い(例えば、マンションなどの共同住宅において)が、それは、当該個人に対する制裁や村八分のような効果を生まないようにという配慮である。
被告らがそのように、前述のような対抗措置や自衛策を講じつつも、実名等を出さないという形で、原告個人に対する配慮も相応にしていたことは、提訴後の配布行為の違法性の評価において重視されるべきである。”

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“(2)配布資料の客観的内容
配布資料の内容について、具体的に人証調べで触れられたものについて吟味すると、「温情を仇で返すバカ者に憤りを感じます」(甲35の1・208頁。原告27頁)、「哀れで愚かで、本当にムカツキます」(甲35の1・238頁。原告27頁)との記載については、当該社員が、本件の提訴とそのマスコミアピールについて憤りや憐憫を感じることや、それを業務日報に書くこと自体は当然ながら問題ではない。「バカ者に憤りを感じる」、「ムカツキます」等の書きぶりも、報復的攻撃や疎外とまではいえない。
「これから彼女に対して世間から本当の意味でのヘイトスピーチが始まると思います」(甲35の1・324頁。原告27頁。今井40頁)との記載も、その内容は「提訴が世間から批判されるだろう」ということを若干辛辣に述べたものであって、「非難」ではあっても、不当な「報復」とまで評価するのは妥当ではなく、「世間から」という記載からしても「社内疎外を図る記載」と決めつけるのも行き過ぎである。
「在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」(甲35の1・413頁。原告29頁。今井42頁)という記載についても、その部分だけを取り上げて評価されるのは妥当ではない。書き起こすと「今回の訴訟の件ではその他の在日韓国人の方が一番迷惑しているように思えます。多くの事実無根の話で提訴し、会社の信用問題に関わるような事をされた訳ですので、今後、企業側とすれば何もなくてもこのような話がでっちあげられる恐れがあるので、在日韓国人は新規採用しないでおこうという、暗黙のルールができるように思います」というのが当該部分の全体である。
すなわち、「新規採用しないでおこうという暗黙のルール」は被告フジ住宅内のルールとしてできると書いているのではなく(なお、実態としても、被告フジ住宅内にそういうルールはできていないという点については、今井43、44頁)、企業一般でそういう事態になるのではないかということが想定されるという趣旨である。また、論旨も、在日韓国人の排除(不採用)を進めるべきというものでは全くなく、「この提訴が契機になってそういう事態が生じると、他の在日韓国人の方々が迷惑を受けることになり、気の毒である」という憂慮が所感として記されているのである。記載内容を正当に読み取れば、上記記述も原告に対する報復的非難でも社内疎外でもないことは明白である。”

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“ また、被告今井は、資料配布により、原告が社内で直接他の社員から攻撃を受けるように仕向けようとか、報復措置として村八分のように原告を疎外してやろうという意図であったと述べたのではなく、「提訴と報道により会社が大きなダメージを受けて、社員も大変傷ついたり憤っていることを、原告にも知らせたい、分かってもらいたい」ということを供述しただけであった。前記の被告今井の供述をもって、一種の加害意図まで認定されるのは行き過ぎである。かような被告今井の配布意図自体も、違法と断じられるようなものではない。
なお、被告今井に対する補充尋問では、裁判長から、「従前(提訴前)は、社員の『業務日報』は部門長会議資料として配布されるのみで、全社員配布されることは全くなかった(が、提訴後の資料配布においては、原告の提訴を批判する内容の記載のある『業務日報』が全社員に配布されるという、かつてない踏み込んだ行為を被告らがなした)」という前提で、質問がなされたように思われる(今井49、50頁)。
しかし、今回証拠提出した全社員配布資料の一部(乙25の1ないし11にも明らかなとおり、提訴前の時期にも、正社員の業務日報や業務報告書のうち被告今井の目に留まったものが全社員に配布されることはたびたびあったのであり、裁判長の補充尋問の前提理解が前記のようなものであるならば、それは正しくない。よって、提訴を批判する内容の業務日報類が全社員配布されたことをもって、報復や社内疎外という加害意図のようなものまで認定されることは失当である。
その点について、被告フジ住宅の答弁書3頁下から5行目にて「原告は『正社員の業務日報も全社員に配布している』と主張するが、そのような事実はない。」等々述べられのは、「業務日報一般は、全社員に配布するものではない」ということと、「ヘイトスピーチ記載があるものとして甲第2号証の2ないし5として証拠提出された業務日報の類は、部門長会議資料として限られた社員に対し配布された」という趣旨の認否である。被告今井がピックアップした一部の業務日報類が全社員配布されることがあることまで否定したものではない。”

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“ 実際原告は、単に提訴行為をなしただけでなく、提訴直後に記者会見を開いてマスコミにアピールし、その結果、新聞紙上では「育鵬社教科書の採択運動 勤務先で強要され苦痛」、「職場で民族差別」、「憎悪表現文書 勤務先が配布」(丙15)などと、必ずしも実態に沿った内容とはいえない見出しで報道され、被告ら及びその社員らは大きなダメージを受けていた。そして、原告側は、大弁護団を組み、本件訴訟の支援団体を組織して、被告らに対するネガティブキャンペーンを社会に対して延々と喧伝していくこととなった(丙16~18等)。本件訴訟は、原告側によって、単なる労働事件の域を超え、被告今井の歴史観やそれに基づく言論活動に対する政治思想的な闘争として展開されている面が多分にあるのも紛れもない事実である。

そういった原告の、提訴だけではない大々的な社会的アピール等への対抗措置、自衛策の一環として、被告らは前記の社内資料配布をなしたものである。

本件は、被告らにも言い分が十分にある事件であり、原告の提訴を被告らとしては不当であると受け止めたことを必ずしも責めることはできず、相応の対抗措置等をとることには相当性が認められる。原告としても、単なる訴訟活動を超えて被告らに社会的非難をもたらそうというアピール行為にも及んでいる以上、会社内や、公的な場で、一定のリアクションにさらされるのも当然である。そういう意味では、前記の資料配布が「非難」であったとしても甘受するべきであるし、「報復」とか「社内疎外(の誘導)」というのは、あまりに一方的な被害的受け止めである(実名も出していないし、実際に他の社員から攻撃を受けたりもしていないことは後述)。

被告今井はその本人尋問において、「フジ住宅や社員を傷付けるという点で提訴が許されない行為だという前提で、他の社員からもこういう批判があることを、全従業員だけでなく、原告本人にも知らせたいという思いもあって、このような資料配布をした」旨を供述したが(原告50頁)、そのような被告今井の意図は、前記の対抗措置、自衛策という目的とも両立するものである。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” (3)教科書展示会への参加の「勧奨」が違法評価される基準(原告第19準備書面関係)
原告は、本件での教科書展示会への参加の「勧奨」について、退職勧奨が違法となる場合を「せいぜい態様等において、社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な勧奨行為があったような例外的な場合にのみ」と限定的に判断した下関商業高校事件の最高裁判例の基準を用いて評価することは、場面が違うのだから不当であると主張する(原告第19準備書面7頁)。
しかし、「退職」という労働者にとってその地位を失う最も重大な行為に関する勧奨ですら、違法とされる場面はそのように限定される。
「教科書展示会への参加」を「退職」と比べたとき、前者の方が重大性は低いことは明らかであるから、教科書展示会への参加勧奨が違法とされるのは、下関商業高校事件の基準よりもさらにいっそう狭く限定されることは明らかである。

4 原告に対する報復的非難・社内疎外を内容とする資料の配布行為(第4類型)に対して
(1)配布目的の正当性
原告は、平成27(2015)年9月7日から25日の配布行為について、原告に対する報復的非難でありかつ社内疎外を図ることを内容とする資料配布であり不法行為に該当すると主張する(原告第11準備書面43頁、別表4-1)。
しかし、被告らの配布目的に正当性はあり、配布した文書の内容も原告の権利利益を不当に侵害するようなものではない。
まず、配布目的の点について述べると、被告らには、当時、原告の提訴に関するマスコミ報道によって生じた社員の大きな動揺を抑え、社内の士気を維持したり、社としての姿勢や主張内容を社員に伝えるという正当な目的があった(今井16、50頁。乙22・31頁。被告フジ住宅第5準備書面13頁以下、被告今井第5準備書面7頁以下、同第6準備書面25頁以下同旨)。”

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“ そして原告は、参加した岸和田市の展示会では、「会社から言われてきました。こんなことをさせるような人たちが勧める教科書は選んでほしくないです」との旨アンケートに書いて提出しており、その内容を被告らにチェックされたこともなかった(原告54、60頁)。原告はさらに、2箇所目は不参加とするという意思表明をし、乗り合わせた車に会社に戻ってもらい帰っているし、それにあたり同僚に説得を受けたり責められたりしたこともなく、またその2箇所目不参加については、植木副部長は知らないと思うと述べている(原告55頁。同行した同僚がわざわざ植木副部長に報告したりするとも原告には思えず、また、植木副部長が事後「あなた途中で抜けたらしいね」などと原告を責めたりしなかったためであろう)。
そのように、1年目も、1箇所目で原告の提出したアンケート内容は自身の意思が反映されたものであり、かつ、2箇所目への参加もその意思が尊重されたものであり、原告が行動を強いられたり何ら不利益を受けたりしたこともなく、人格的自律権の侵害は何らない。また、1年目に原告がとった行動により、上司や同僚に非難されて人間関係の形成に悪影響が出たというような事実も主張立証されていない。
2年目、3年目の平成26(2014)年、27(2015)年については、原告は不参加であり、人格的自律権の侵害はありえず、職場において自由な人間関係を形成する権利が侵害されたという事実もない。
植木副部長によると、設計監理課では、1年目は全員が参加したが、2年目は課内では8割、原告と同じCAD担当のグループでは12人中1人のみの参加であり、3年目は課内では約5割、CADでは全員不参加であったとのことである(植木4頁)。1年目は、強制の結果ではなく、被告今井や植木副部長の呼びかけの熱意や新鮮味もあって課内全員参加となったと思われる。
強制ではなかったことの証左として、被告今井がいっそう呼びかけに力を入れていった2年目、3年目は参加率が下がっていっている。また、原告の人間関係のうえで特に重要なCAD担当のグループの同僚らは、ほとんど参加しておらず、不参加が原告の自由な人間関係を形成に支障をきたしたとは到底思われない。”

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“ 原告は、業務時間内に社有車への乗り合わせで展示会を回って構わないと社内で被告らが打ち出したことをもって、業務性を帯びているかのようにも指摘するが(今井36頁)、失当である。被告今井の意図は、家族を抱えて忙しいパート女性の方など、賛同してくれる社員が展示会に行こうとしたときに、家庭生活やプライベートの時間に負担になるかもしれないので、そうならないように配慮したというところに尽きる(今井15頁)。
こういう呼びかけの態様を見ると、教科書展示会参加自体にも強制はなく、アンケート記載の意見内容に関しても何ら押し付けはない。社員としては、教科書関係についても受け取った資料はせいぜい表紙を見て内容を確認し、趣旨に賛同できなければ、読まずに処分し、参加もしないという対応が可能である。

(2)原告が受けたとする被害の実情
「教科書動員」とされる点についても、原告に対しては、「人格的自律権、職場において自由な人間関係を形成する権利」の侵害はなかった。
1年目の平成25(2013)年は、原告は、乗り合わせ表に原告も入っており1箇所目の岸和田市の展示会に同行することになったが、植木副部長が音声データを部署内で配布し「参加したくない人は申し出るように」とアナウンスしていたのにその録音内容を原告が聞いていなかったために、乗り合わせ表に記載されただけであり、原告が参加を強制されたわけでは全くない(原告23頁、今井36頁)。”

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” 3 教科書動員との主張(第3類型)に対して
(1)職場環境配慮義務違反との主張に対して
原告は、「教科書動員」と主張する部分(第3類型)においても、被告らの行為は職場環境配慮義務違反であると述べるが、教科書展示会への参加とアンケートの提出等を呼びかけることもまた、憲法が国民に保障する表現の自由の行使の一つとして極めて重要であり、私企業内で使用者が労働者に対してなす場合であっても、単にそのことだけで表現の自由の保護が及ばないというものではない(なお、教科書アンケートが、「国民の意思を国や自治体を通じて公教育に適切に反映させる仕組み」の一つとしても重要であるという点については、被告今井第3準備書面4頁)。
表現の自由の行使の違法性判断についてはその目的も重要な要素となるので、被告今井の教科書展示会参加等の呼びかけの動機についても触れておくと、知人から聞き及んで小学校の歴史教科書の南京事件の記載の有り様を知り、こんな教科書で教わっては子どもたちは歪んでしまう、なんとかせねばならないと思ったというのが、こういった活動を開始するきっかけとなった。そして被告今井は、その活動により、教科書の歴史記述が正されたり日本の偉人伝が多く紹介されたりすると、子どもたちが自信と誇りを持ち、いじめや非行等の問題、学力や親との関係性等にも好影響が生じ、子どもがよりよく成長できる可能性が高まると確信している(今井14、15頁。乙22・25頁)。これはまさしく純粋な公益目的である。
それらの点を考え合わせると、やはり、教科書に関する呼びかけも表現の自由の一環として当然に適法であることが基本となり、もし社内でのそういった呼びかけが違法とされることがあるとするならば、具体的なその呼びかけの態様を吟味し、社員に対する参加の強制や提出するアンケート内容に関する過度な押し付けがある場合に限られるであろう。
この点に関して尋問から改めて明確になったところとしては、原告にも、他の社員にも、教科書展示会やアンケートについては、希望者のみの自由参加であり任意の協力であることが十分周知され、実態としても参加しなかったり関心を示さない社員も多数おり、不参加であってもそのことが何ら社内の人事査定の資料とされたりなどの不利益な取扱いは全く受けていなかったことが挙げられる(原告24、54~56頁。菊池7頁。植木3、4頁。今井15、36頁)。”

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