フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

 

” 平成27年(ワ)第1061号

損害賠償請求事件

 

準備書面9

 

平成31年 4月 26日

 

フジ住宅株式会社訴訟代理人

弁 護 士  益  田  哲  生

同    勝  井  良  光

同    中  井     崇

 

第1 退職勧奨についての認否・反論

原告第6準備書面の「第3 原告に対して申入れ等に対する圧力がかかったこと及び退職勧奨がされたこと」と題する項(82~93頁)において、原告が「退職勧奨」を受けたとの主張がなされている。かかる主張が、当該「退職勧奨」を請求原因事実に追加する趣旨であるかどうかは不明であるが、以下、念のため認否・反論しておく。

1 認否

(1)「1(1)社内改善申し入れ及び人権救済申立ての経緯」と題する項について

原告が甲11による申入れを行い、被告会社が甲57の回答を行ったことは認め、その余は不知ないし否認する。

 

(2)「1(2)植木氏との電話面談」と題する項について

2015年3月20日に原告が所属する設計部における上司にあたる植木副部長と原告とが電話面談を行ったことは認め、「植木氏に呼び出される形で」というのは趣旨が不明のため認否を保留する。

原告が主張するような具体的やり取りがあったことは概ね事実であるが、下記のとおり反訳が不正確な部分もある。”

 

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

”4 代表取締役社長宮脇が選択する経営理念感想文の選定基準について
本件訴訟で一部問題とされている経営理念感想文は、被告今井ではなく、被告フジ住宅の代表取締役社長である宮脇宣綱が、ここ10年近く選定している。
その選定基準については、被告フジ住宅準備書面9に譲る。
なお、経営理念感想文の意義については、被告今井第5準備書面5頁以下でも詳論したところであるが、被告フジ住宅における非常に重要な経営のツールであり、経営文化の具体化の一つである。ごく部分的な感想文や、その断片的な記載を拾って当否が評価されるのではなく、被告フジ住宅が丙第21号証の1ないし12で平成26年9月分以降の1年分を全て証拠提出しているので、全体像が正しく理解されたうえで法的評価の対象としていただきたいと被告らとしては考えている。

以 上”

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”2 公益性と両立している社員個人や会社にとっての意義
上記のような公益性や公益目的が資料配布にはある一方で、社員や会社の側にスポットを当ててみても、業務そのものに限らず、社会で問題となっている事象について、社員に正確な知識や、偏りのない見識をもってもらうことは、社員自身のためにも、その家族のためにも、そして会社のためにもなる、というのが被告今井の信念である。すなわち、真実の歴史を知り、日本人としての誇りを取り戻すことは、個々の社員の自信や能力を高めることにつながり、さらには愛社精神を高めることにも直結し、社としての業績も上がると被告今井は確信している。実際、そのような確信を実践することで、被告フジ住宅は成長してきたのである。
そして、社員やその家族、関係者、顧客、地域を大切にしそれらの利益になるような経営をすることが、社会や国のためにもなるというのが、被告フジ住宅の理念であり、それら多層多様な要素が全てリンクしているというのが被告今井の経営思想である。そういった考えの総体を分かり易く述べると「世のため、人のための働き」ということになるが、被告今井による資料配布や教科書関係の活動もそういった一心から出たものなのである。

3 客観的な評価として
前記1及び2は被告今井の主観的な思いを基礎にしてなした説明であるが、そういった思いに対しては、そういった思考方法や経営手法には共感できない、同意できないといった批判が原告側からなされるのではないかと思われる。しかし、それは好き嫌いの次元の問題であって、違法適法などと線引きするべきものではないと考えられるという点は、被告今井第7準備書面9頁以下で述べたところである。
また、被告今井の資料配布とか教科書関係の活動は、客観的、憲法論的に考えても、重要な意義がある。国、社会、国際関係などの情勢の動きや変化を受けて、随時、民間のさまざまな場所で政治的、社会的な意見発信がなされるのは、民主国家において極めて健全かつ必要なことであり、まさしく表現の自由の意義の根幹であるといえるからである。
原告は、自身が入社してから数年間経った後、被告らが変わってしまったというような指摘をなすが、社会情勢の変化も踏まえたうえで、被告今井のそのときどきの関心事項も反映しつつ、社員への啓発のテーマが変わっていくのも自然なことである。一貫していないことが問題とされるとすれば、それも妥当とはいえない。
そもそも原点に帰ると、民間会社において、思想的なものを伝播しようとしてはいけないというのは、間違った考えであると思われる。なぜならあらゆる経営理念は一つの思想だからである。社員教育や啓発については当然、経営者の裁量もあるし、柔軟に変化し発展していくのが私企業の生命である。「態様」が過度であったときに問題となりうるとしても、本件ではそのような事情はない。”

次回も第8準備書面について、続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”第2 資料配布の意思決定の仕組み等(事務連絡2(4)の点)
1 被告今井が選択する配布資料について-社会情勢の反映であること-
被告今井が配布する資料の選択基準については、被告今井第7準備書面11頁以下で述べたが、その決定の仕組みとしては、被告今井が熟慮のうえで選択し配布を決定して指示するというのが基本であり、特に、合議して意思決定する等の複雑な手続があるわけではない。
被告今井がどのような考えや契機から配布する資料を選択、決定するのかという点について補足すると、被告今井は、都度都度思い立って独自の思想や教養を社員に伝達しようとしているというよりは、むしろ、その時期ごとの国レベルで注目されている課題、国際情勢、社会の関心などを反映しながらテーマを選択して、社員に確かな情報や知見を伝え、その啓発の機会を提供しているというのが正確である。
例えば、従軍慰安婦に関する資料を被告今井が配布したのも、その時期にそのテーマが、対韓国情勢の中で展開を見せ、非常に我が国の内外で大きな話題になっていたからであって、被告今井が独自にその問題を長年追究してきたからではない。被告今井としては、「日本国に強制連行された少女らが慰安婦という性奴隷にさせられ、天皇に贈呈された」などという虚構がいまだに韓国により国際社会に喧伝され、アメリカの高校の教科書にも事実のように書かれている現状があり、そのことが理由になって在米日本人の子女がいじめられているというような報道を目にして、「自分たち日本人にふりかかっている火の粉を払うような思い」で、せめて自分の身近な人たちに真実の歴史を伝えようとしたのである。従軍慰安婦以外のさまざまなテーマについても、同様である。
原告側には大いなる誤解があると思われるが、被告今井は、本来的に反中反韓などではないし、近年、急に右傾化したということでもない。自身の変化というよりも、社会情勢の変遷を受けて、例えば、尖閣問題などの国内外の出来事の展開などにより、国の将来を憂うべき社会状況が近年生じていたため、「国がおかしくなっているぞ」とか「不当に貶められている日本を何とかしないと(放っておけない)」という思いから、意見や情報の発信が増えたのである。”

次回も第8準備書面について、続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”3 原告の申し出を受けた際の検討
事務連絡記載の「原告の申し出」とは、2015(平成27)年1月6日付で原告代理人から被告らに送付された申入書(甲11)による申入れのことと思われる。
この申入れは、①ヘイトスピーチと評される文書の配布、②社員に対し配布物に関する意見を聞き回答を求める等の行為、③教科書アンケートへの参加の促し等の労働契約上の指揮命令権限を越えた指示命令を行うこと、④種々の署名活動、意見表明活動の促し、その結果の公表等、⑤以上に類する一切の行為の停止を求めるものであった。
被告らにおいてはこの申入れを検討したが、①については、社としてヘイトスピーチを許容、促進する方針もその事実もなく、社内でそういった表現活動がなされているとの認識はない、②については、業務命令を通じて社員の精神的自由に違法に干渉する方針もその事実もなく、業務命令によって業務と直接関連性のない配布物に対して社員の意見を強いることもない、③については、社会的な活動への参加についてはあくまでも社員の自由意思に委ねられており、業務命令や強制はない、④については、署名活動等についても、参加や署名の公表については、個人の自由と同意に委ねられており、業務命令や強制はないという結論であった(その個々の理由は、この訴訟におけるこれまでの被告らの主張と同じである)。
被告フジ住宅は、上記の検討結果と、申入れの趣旨に応えることはいたしかねるという回答を、代理人弁護士による平成27年1月21日付回答書をもって原告に対してなした(乙21)。”

次回も第8準備書面について、続きから紹介していきます。