フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

 

”  2 教科書展示会への参加の促しを開始したのは、平成25年である。

教科書展示会への参加促しも、個々の社員によってはその信条に反する可能性があることは会社として認識しており、そのため強制ではないということを繰り返し繰り返し周知している。

原告から甲11の申入れがなされた際は、検討の結果、すでに原告は平成26年以降教科書展示会に参加していないので、特段対応は必要ないと判断している。

 

第4 資料配付のシステム

1 被告会社内で配布する資料のうち、経営理念感想文については、全社員に毎月提出させて、後述するように社長が110名分を抜粋して毎月全社員宛に配布している。

 

2 また、部門長・所属長を対象に被告今井が配布している資料があり、これについては専ら被告今井が配布する資料を決定している。

そして、部門長・所属長の中では、被告今井から配布された資料を自ら担当する部署で配布する者があり、原告が所属する設計部においても植木副部長の判断で配布している。もっとも、原告については平成23年10月に配布不要との申し出があったため、それ以降は原告を配布対象から除外している。

 

3 なお、それ以外にも被告今井が全社員宛に配布する資料があるが、これについては専ら被告今井が配布する資料を決定している。”

 

次回も続きから紹介していきます。

フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

今回もフジ住宅の訴訟・裁判に関する情報をお届けします。

 

” 第2 提訴に関する意見が記載された他の社員の感想文等を社内配布したことの必要性・相当性について

1 この点については、被告準備書面5・14~15頁において詳細に主張しているが、あらためて再度主張しておく。

 

2 被告会社社員から提出される経営理念感想文等のうち、他の社員の参考になったり、有益であったりと被告会社が判断したものについて、全社員宛に配布するということは、従前から行われていたことである。

そのような中、特に本件訴訟が提起された直後と、被告会社が対外的に本件訴訟についての見解を発した直後は、社員にとって大きな関心事であったこともあり、本件訴訟についての感想・意見が書かれた経営理念感想文等が数多く提出された。被告会社としては、このように数多く提出されている本件訴訟に関する記載をあえて全社員配布の対象から外すこともかえって不適当であるし、本件訴訟提起の報道および原告側支援者の活動によって社員に不安と動揺が広がる中(原告側支援者が行った「ヘイト企業」などのレッテル貼り・印象操作によって、これに対抗しなければ社員の士気が大幅に低下し、企業として存続することすらできなくなる可能性があった)、他の社員が本件訴訟について考えていることを伝えることは社員を元気づけるものであるし、被告会社にとっても社員に誇りをもって仕事をしてもらい、士気の低下を抑えるという観点から有益であると考え、その一部を全社員配布の対象としたものである。したがって、本件においては、提訴に関する意見が記載された他の社員の感想文等を社内配布する高度の必要性が存したものである。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

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”  2 被告の主張

判例上、退職勧奨そのものは違法ではなく、例外的に社会的相当性を逸脱した態様での半強制的ないし執拗な退職勧奨行為について不法行為が成立しうるとされている(下関商業高校事件-最判昭55.7.10判タ434号172頁、日本アイ・ビー・エム事件-東京高判平24.10.31労経速2172号3頁等)。

この点、当該退職勧奨を違法とする多数意見と適法とする反対意見が3対2で分かれた上記下関商業高校事件は、社会的相当性の逸脱の有無に係る限界事例と考えられるが、同事件は、地方公務員である市立高等学校の教員に対する市教育委員会による退職勧奨が、4か月間に11回あるいは5か月間に13回にわたり、1回あたり20分から2時間強に及んだという事案であった。また、上記日本アイ・ビー・エム事件では、「具体的な退職勧奨の態様の相当性」について、「退職勧奨の期間、回数等」が相当であったか否かに加え、各回における退職勧奨の際のやりとりや、退職勧奨がなされて以降の電子メールでのやりとり等を個別に検討し、相当性の有無を検討するという手法が用いられており、結果として、すべての原告についてその相当性を肯定し、退職勧奨に違法性は無いと結論づけているところである。

この点、本件においては、上記のとおり被告会社は原告に対し300万円の支払いと引き換えに退職するという選択肢を提示したに過ぎず、一度も退職を求めるようなことはしていない。また、植木副部長とのやりとりは1回に過ぎず、これに要した時間も僅か18分程度のことであった。しかも、原告が勤務を継続する意思を表示して以降は一切上記選択肢について言及していないのであって、およそ被告会社の行為が違法とされる余地はないものである。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

フジ住宅の訴訟と裁判に関する書面を、公式ブログから紹介しています。

” (5)「2(2)原告には退職すべき理由がなく、本件退職勧奨は申入れをしたことに基づいていること」と題する項について
否認する。
原告の勤務態度に特段問題がなかったことは被告会社も同じ認識であり、したがって被告会社として原告に退職して欲しいなどという考えは一切なかった。しかしながら、原告から甲11による申入れがなされ、そこにおいて被告会社で勤務することが精神的に大変苦痛であるとの訴えがあったが、社員が公私共に充実感をもって働けることを何よりも重視している被告会社にとっては、そのように苦痛を感じている社員がいること自体看過できない問題であった。しかしながら、原告が訴える内容からすると、原告自身が被告会社から直接何らかの攻撃を受けているということではなく、会社の社風自体がストレスになっているという趣旨と理解できたため、そうであれば原告に充実感をもって生きてもらうためには、社風が原告にとってストレスとならない他の会社に移籍することも選択肢の一つではないかと考えたものである。ただ、すぐに他の勤務先が見つかるかどうかも分からないため、生活保障の観点から300万円の支払いを提案したものである。
これまで具体的証拠をもって示してきたとおり、被告会社は社員の幸せを何よりも重視し、そのためにあらゆる努力を惜しまないところが非常に特徴的な会社である(丙24の1~3 ヘルスマネジメント格付最高ランク、テレワーク先駆者百選総理大臣賞、健康経営銘柄2019、健康経営優良法人・ホワイト500)。このため、原告から申入れがあった際も、社員である原告のことを親身に考えた結果、原告の年間給与を超える300万円という破格の金額を提案したものであるが、その提案をもって被告会社が原告の退職を望んでいるように受け取られたのであれば、被告会社にとってまことに心外である。
なお、既述のとおり原告が大阪弁護士会に行ったという人権救済申立ての事実を被告会社が初めて知ったのは2015年10月9日のことであり、それより前に行われたやり取りが「大阪弁護士会へ人権救済申立てをしたことを理由して行われたもの」であるはずがない。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

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” 記

誤: 原告 びっくりもですけど

植木 しんどいなあと     (原告書面83頁)

正: 原告 びっくりもですけど

植木 びっくりもですけど?

原告 しんどいなあと

植木 しんどいなあと

 

(3)「1(3)小括」と題する項について

否認する。

まず、そもそも原告が大阪弁護士会に申立てを行った事実を被告会社が初めて知ったのは、2015年10月9日に大阪弁護士会から書面で通知が届いた時である。したがって、「原告の直属の上司たる植木氏を利用して、原告に圧力を加え、人権救済申立てを取り下げるよう原告に求めるなどした」などというのは、全く事実に反する。

電話面談における具体的やり取りから明らかなように、植木副部長は、原告が行った甲11の申入れを受けて、管理職として原告の悩みやストレスの具体的内容を把握して必要な対応をとりたいとの想いから原告に電話したものである。しかるに、原告は電話をかけてこられることにプレッシャーを感じるなどと述べ、植木副部長の想いと平行線をたどっていることが見て取れる。

 

(4)「2(1)植木氏による電話面談での退職勧奨」

2015年8月10日に植木副部長と原告とが内線電話で話したこと、そのやり取りの具体的内容が概ね原告書面88頁後ろから10行目~93頁4行目のとおりであることは認め、原告がやり取りの内容を要約した部分については否認する。

原告は「申入書についてのやりとりをやめたい旨訴えたにもかかわらず」と主張するが、具体的やり取りのうちどの部分がそれに該当するのか不明である。

この日のやりとりは、全社員が年2回提出する評価表のコメントにおいて、原告が「しんどいです」と述べていることを受けて、このままであれば原告は精神的につらい状況が続くのではないかとの配慮から、会社から300万円を受け取って退職するという選択肢を示したものである。そして、「別にやめてほしいんじゃなくて、根本解決しようと思ったら」という植木副部長の発言からもうかがえるように、会社として積極的に退職して欲しいとの意思を示したものではないし、「一つは現状のままこのまま勤められると」として、このまま勤務を継続するという選択肢も示している。したがって、「原告に対し、退職を求め促す行為に及んだ」というのは事実に反する。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第9準備書面

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” 平成27年(ワ)第1061号

損害賠償請求事件

 

準備書面9

 

平成31年 4月 26日

 

フジ住宅株式会社訴訟代理人

弁 護 士  益  田  哲  生

同    勝  井  良  光

同    中  井     崇

 

第1 退職勧奨についての認否・反論

原告第6準備書面の「第3 原告に対して申入れ等に対する圧力がかかったこと及び退職勧奨がされたこと」と題する項(82~93頁)において、原告が「退職勧奨」を受けたとの主張がなされている。かかる主張が、当該「退職勧奨」を請求原因事実に追加する趣旨であるかどうかは不明であるが、以下、念のため認否・反論しておく。

1 認否

(1)「1(1)社内改善申し入れ及び人権救済申立ての経緯」と題する項について

原告が甲11による申入れを行い、被告会社が甲57の回答を行ったことは認め、その余は不知ないし否認する。

 

(2)「1(2)植木氏との電話面談」と題する項について

2015年3月20日に原告が所属する設計部における上司にあたる植木副部長と原告とが電話面談を行ったことは認め、「植木氏に呼び出される形で」というのは趣旨が不明のため認否を保留する。

原告が主張するような具体的やり取りがあったことは概ね事実であるが、下記のとおり反訳が不正確な部分もある。”

 

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”4 代表取締役社長宮脇が選択する経営理念感想文の選定基準について
本件訴訟で一部問題とされている経営理念感想文は、被告今井ではなく、被告フジ住宅の代表取締役社長である宮脇宣綱が、ここ10年近く選定している。
その選定基準については、被告フジ住宅準備書面9に譲る。
なお、経営理念感想文の意義については、被告今井第5準備書面5頁以下でも詳論したところであるが、被告フジ住宅における非常に重要な経営のツールであり、経営文化の具体化の一つである。ごく部分的な感想文や、その断片的な記載を拾って当否が評価されるのではなく、被告フジ住宅が丙第21号証の1ないし12で平成26年9月分以降の1年分を全て証拠提出しているので、全体像が正しく理解されたうえで法的評価の対象としていただきたいと被告らとしては考えている。

以 上”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”2 公益性と両立している社員個人や会社にとっての意義
上記のような公益性や公益目的が資料配布にはある一方で、社員や会社の側にスポットを当ててみても、業務そのものに限らず、社会で問題となっている事象について、社員に正確な知識や、偏りのない見識をもってもらうことは、社員自身のためにも、その家族のためにも、そして会社のためにもなる、というのが被告今井の信念である。すなわち、真実の歴史を知り、日本人としての誇りを取り戻すことは、個々の社員の自信や能力を高めることにつながり、さらには愛社精神を高めることにも直結し、社としての業績も上がると被告今井は確信している。実際、そのような確信を実践することで、被告フジ住宅は成長してきたのである。
そして、社員やその家族、関係者、顧客、地域を大切にしそれらの利益になるような経営をすることが、社会や国のためにもなるというのが、被告フジ住宅の理念であり、それら多層多様な要素が全てリンクしているというのが被告今井の経営思想である。そういった考えの総体を分かり易く述べると「世のため、人のための働き」ということになるが、被告今井による資料配布や教科書関係の活動もそういった一心から出たものなのである。

3 客観的な評価として
前記1及び2は被告今井の主観的な思いを基礎にしてなした説明であるが、そういった思いに対しては、そういった思考方法や経営手法には共感できない、同意できないといった批判が原告側からなされるのではないかと思われる。しかし、それは好き嫌いの次元の問題であって、違法適法などと線引きするべきものではないと考えられるという点は、被告今井第7準備書面9頁以下で述べたところである。
また、被告今井の資料配布とか教科書関係の活動は、客観的、憲法論的に考えても、重要な意義がある。国、社会、国際関係などの情勢の動きや変化を受けて、随時、民間のさまざまな場所で政治的、社会的な意見発信がなされるのは、民主国家において極めて健全かつ必要なことであり、まさしく表現の自由の意義の根幹であるといえるからである。
原告は、自身が入社してから数年間経った後、被告らが変わってしまったというような指摘をなすが、社会情勢の変化も踏まえたうえで、被告今井のそのときどきの関心事項も反映しつつ、社員への啓発のテーマが変わっていくのも自然なことである。一貫していないことが問題とされるとすれば、それも妥当とはいえない。
そもそも原点に帰ると、民間会社において、思想的なものを伝播しようとしてはいけないというのは、間違った考えであると思われる。なぜならあらゆる経営理念は一つの思想だからである。社員教育や啓発については当然、経営者の裁量もあるし、柔軟に変化し発展していくのが私企業の生命である。「態様」が過度であったときに問題となりうるとしても、本件ではそのような事情はない。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”第2 資料配布の意思決定の仕組み等(事務連絡2(4)の点)
1 被告今井が選択する配布資料について-社会情勢の反映であること-
被告今井が配布する資料の選択基準については、被告今井第7準備書面11頁以下で述べたが、その決定の仕組みとしては、被告今井が熟慮のうえで選択し配布を決定して指示するというのが基本であり、特に、合議して意思決定する等の複雑な手続があるわけではない。
被告今井がどのような考えや契機から配布する資料を選択、決定するのかという点について補足すると、被告今井は、都度都度思い立って独自の思想や教養を社員に伝達しようとしているというよりは、むしろ、その時期ごとの国レベルで注目されている課題、国際情勢、社会の関心などを反映しながらテーマを選択して、社員に確かな情報や知見を伝え、その啓発の機会を提供しているというのが正確である。
例えば、従軍慰安婦に関する資料を被告今井が配布したのも、その時期にそのテーマが、対韓国情勢の中で展開を見せ、非常に我が国の内外で大きな話題になっていたからであって、被告今井が独自にその問題を長年追究してきたからではない。被告今井としては、「日本国に強制連行された少女らが慰安婦という性奴隷にさせられ、天皇に贈呈された」などという虚構がいまだに韓国により国際社会に喧伝され、アメリカの高校の教科書にも事実のように書かれている現状があり、そのことが理由になって在米日本人の子女がいじめられているというような報道を目にして、「自分たち日本人にふりかかっている火の粉を払うような思い」で、せめて自分の身近な人たちに真実の歴史を伝えようとしたのである。従軍慰安婦以外のさまざまなテーマについても、同様である。
原告側には大いなる誤解があると思われるが、被告今井は、本来的に反中反韓などではないし、近年、急に右傾化したということでもない。自身の変化というよりも、社会情勢の変遷を受けて、例えば、尖閣問題などの国内外の出来事の展開などにより、国の将来を憂うべき社会状況が近年生じていたため、「国がおかしくなっているぞ」とか「不当に貶められている日本を何とかしないと(放っておけない)」という思いから、意見や情報の発信が増えたのである。”

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フジ住宅の訴訟と裁判 第8準備書面

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”3 原告の申し出を受けた際の検討
事務連絡記載の「原告の申し出」とは、2015(平成27)年1月6日付で原告代理人から被告らに送付された申入書(甲11)による申入れのことと思われる。
この申入れは、①ヘイトスピーチと評される文書の配布、②社員に対し配布物に関する意見を聞き回答を求める等の行為、③教科書アンケートへの参加の促し等の労働契約上の指揮命令権限を越えた指示命令を行うこと、④種々の署名活動、意見表明活動の促し、その結果の公表等、⑤以上に類する一切の行為の停止を求めるものであった。
被告らにおいてはこの申入れを検討したが、①については、社としてヘイトスピーチを許容、促進する方針もその事実もなく、社内でそういった表現活動がなされているとの認識はない、②については、業務命令を通じて社員の精神的自由に違法に干渉する方針もその事実もなく、業務命令によって業務と直接関連性のない配布物に対して社員の意見を強いることもない、③については、社会的な活動への参加についてはあくまでも社員の自由意思に委ねられており、業務命令や強制はない、④については、署名活動等についても、参加や署名の公表については、個人の自由と同意に委ねられており、業務命令や強制はないという結論であった(その個々の理由は、この訴訟におけるこれまでの被告らの主張と同じである)。
被告フジ住宅は、上記の検討結果と、申入れの趣旨に応えることはいたしかねるという回答を、代理人弁護士による平成27年1月21日付回答書をもって原告に対してなした(乙21)。”

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